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欧州中央銀行の“Project Stella”、新たなメカニズムによって決済はどう変わる?

欧州中央銀行の“Project Stella”、新たなメカニズムによって決済はどう変わる?
2018年4月9日

欧州中央銀行と日本銀行から新しく発行された報告書は、分散元帳技術(DLT)を使用して、未連結元帳間のクロスチェーン・アトミック・スワップを含む新たな証券決済メカニズムを作成することができると主張しています。

調査結果は、2016年12月に開始されたProject Stellaと呼ばれる中央銀行の共同DLT研究機関によるものです。

DLTのユーザビリティーに関する広範な議論に貢献することを目的として、このプロジェクトの特定の段階における、“現金に対する有価証券の交付が、DLT環境で概念的に設計され運用される方法”を検討しました。

レポートは、DvP決済法に焦点を当て、他の資産への移転が発生した場合にのみ、資産の移転が実行されるように資産がリンクされています。これは“あとミックス的”とも呼ばれています。

研究者たちは3つのプラットフォーム、Corda、Elements、Hyperledger Fabricを使用して3つのプロトタイプを設計しました。この報告書によると、彼らは、DvPが単一の元帳と別個の元帳の両方に現金と有価証券を持つDLTシステムで実行できることを発見しました。

概念的な分析と実験により、この交差する元帳であるDvPは、個々の元帳間の関係なく機能することが証明されています。これは、今は存在しない新規性となります。

クロスチェーンのようなアトミック・スワップ(※)の機能は、元帳間の相互運用性を確保する可能性を秘めています (同じDLTプラットフォームまたは異なるDLTプラットフォームのいずれでも)、それらの間の接続および制度上の取り決めを必ずしも必要としません。

しかし、このレポートは、交差元帳DvPシステムが決算プロセスに於いて、複雑さおよび運用上の課題を加えてしまう可能性があることを警告しています。

たとえば、接続されていない元帳間のDvPトランザクションでは、「複数のプロセスステップと売り手と買い手とのやりとり」が必要です。

同様に、そのようなシステムは取引のスピードに影響を及ぼし、「一時的に流動性を遮断」しなくてはならなくなります。システムの同期化の欠如は、2つのカウンターパーティのうちの片方でも必要なプロセスステップを完了しなければ、関係者を元本リスクに晒してしまう可能性があるのです。

確かに、この技術が決済システムを置き換えるまだ準備ができていないという結論は、9月のProject Stellaレポートで強調されました。

かくして、報告書は、既存のプロジェクトの範囲を超える正当な法的分析に加えて、「(DLTをDvPの取り決めに適用するための)個々のアプローチの安全性と効率性に関するさらなる分析は必須である」と締めくくられています。

※アトミック・スワップ
アトミックスワップとは、コインの交換の際に第三者を介さず、トラストレスにおこうなうことができる技術です。どこかの会社が運営・管理している暗号通貨の交換所や取引所でやり取りを行う必要がありましたが、この技術によって、個人間で暗号通貨の交換を行うことが可能になります。