シンガポールの教育系ブロックチェーン企業Ixtus Edutainment(以下 Ixtus社)が、2018年9月にICOを実施し、中国・東南アジアへと進出することを発表しました。
Ixtus社がインターネット上で展開する教育ゲーム「Little Detective」は、就学前児童へ向けたブロックチェーン搭載アプリケーションです。
なぜ教育分野にブロックチェーン技術を使うのか
教育分野でのブロックチェーン活用事例としてはブロックチェーン技術を使った卒業証明書(アメリカ・マサチューセッツ工科大学)が知られています。
では、卒業の証明も必要のないと思われる幼児教育において、どのようにブロックチェーン技術を使うのでしょうか。
Ixutus社はホワイトペーパー上でこのように説明しています。
・「ユビキタス学習環境」の創出のため
途上国では人口に対して、質の高い教師が不足していること、また、適切なカリキュラムが見つからないことによって、教育レベルが停滞しているという現状があります。
どこからでもプライバシーと情報が保護された状態で、質の高いコンテンツへのアクセスを実現するためにはブロックチェーン技術が最適なのです。
・コンテンツの権利の保護
ゲーム型の教育コンテンツでは、動画や画像などのコンテンツが非常に重要になります。
データを分散して保存し、ユーザーのログイン認証などにもブロックチェーン技術を活用することで、コンテンツを違法コピーから守ることができます。
・インセンティブプログラムによるコンテンツの質の向上
教育者によるコンテンツの投稿にも対応しています。
これに対して、質の高い教材を作成する教育者を選ぶ投票や、児童の両親などを含むユーザーから、満足したコンテンツの作成者へのお礼・寄付などが可能になります。
Little Detectiveによる教育手法
Little Detectiveは、主人公のTimがパズルと謎を解きながら成長する物語です。
プレイする子供たちは、ゲームの中でキャラクター同士の助け合いを通して社会的スキルを学び、パズルを解くことで識字能力や数学の力を身につけます。
プロセス指向、経験を重視する学習体験はこれからの学習の在り方としてふさわしいものでしょう。
カリキュラムは世界トップクラスともいわれるシンガポール教育省が作成したカリキュラムに準拠しています。
このカリキュラムではソフトスキルを重視しており、下記の五つがキーワードとして挙げられます。
・ホリスティックアプローチ
・統合学習
・活発な学習者としての子供への支援
・サポーターとしての両親のかかわり方
・遊びながら学ぶ仕組み
Ixutus社の目指す未来
Ixutus社は2018年9月にICOを予定しています。
まず、8億人がインターネットに接続している中国から展開をはじめ、2019年にインドネシア・ベトナム市場へ。2020年にはアジア全域へと展開する予定です。
アメリカの哲学者、John Dewey 氏は、
「教育は人生の準備ではない。教育は人生そのものだ」と言いました。
教育は学問的知識の基礎を築くだけではなく、人生の成功を左右することもあるでしょう。
そしてまた結果として、国家のGDPの成長にも大きく関わります。
Ixutus社の提案する教育方法が途上国と呼ばれる多くの国々へと展開し、世界中の人が知りたいという欲望を持つことができ、知識を探求し、学び続けることのできる豊かな未来が楽しみです。