米海軍は、航空機の部品の追跡・管理をブロックチェーン技術で行うための研究を開始しました。
米海軍に対して航空機などの物的支援を行う機関である、海軍航空システム・コマンド(Naval Air Systems Command、以下NAVAIR)は、航空機の運用及び保守に伴うコストを削減するためにブロックチェーンをベースにした管理・追跡システムの研究をスタートしたと発表しました。
NAVAIRのプレスリリースでは、運用コストを押し上げている要因の1つとして、航空機の部品の追跡・管理にかかるコストが挙げられると報じています。
今回の研究目的としては、配送後に書類ベースで追跡し、データベースへの登録をアナログで行なっている従来の部品管理のやり方を、全てブロックチェーンを用いたシステムに切り替えデジタル化し、コストを削減する事です。
NAVAIRはこの計画に伴い、ITAMCO社の協力を取り付けました。
同社は、アメリカ国防高等研究計画局(軍隊使用のための新技術開発および研究を行うアメリカ国防総省の機関)と共同で、SIMBAチェーンというブロックチェーンプラットフォームを開発している会社です。
NAVAIRは、
「今回の合意によって、迅速かつ安全に膨大なデータベースにアクセスできるようになるだろう。」
「最終的には、透明性と安全性を兼ね備えたブロックチーン物流システムの開発を目指している。」と述べています。
透明性と安全性を兼ね備えたブロックチーン物流システムには、分散しているが故に、外部からの攻撃に対する脆弱性も高まると言った問題点があるため、セキュリティの分野は特に重要視されています。
そのため、
「研究の初期段階から専門家を集め、分散管理システムのメリットとリスクをしっかりと把握しておく必要がある。」とも述べています。
これらの懸念点を踏まえ、SIMBAチェーンの実証実験はビットコインのような公開環境ではなく、認可制の限定された環境で行われることが予測されます。
研究チームは、このブロックチェーンシステムの能力の向上が、NAVAIRの管理システムをより良いものにし、今後の海軍航空部隊の支援に役立つものであると考えています。