Pundi Xがブロックチェーン技術を試用した携帯通話を成功
2018年10月10日にインドネシアのバリで行われたXBlockchainサミットで、台湾のブロックチェーン企業Pundi Xがブロックチェーン技術を使った通話のデモに成功しました。
この通話は、同社の最新端末であるXPhoneを用いて行われたものです。
ブロックチェーン通信ネットワークのメリット
従来の方式では、必ず通信会社のネットワークを使う必要がありましたが、今回の方式では通信会社を必要としません。Pundiの提供するPundiPOSやX Phoneがノードとなることによって分散化された通信を行います。
この通信方式には、拡張性が高く、いくつものメリットがあります。
1.通話が安全になる
現在の携帯電話の通話は、すべての国家、もしくはそれに類する情報機関によって検閲が可能となっています。X Phoneが用いる通信方法は分散化されているため、追跡・傍受が不可能になります。情報保護の観点でも、通信の自由度は飛躍的に向上します。
2.一方で通話だけでなく、様々なデータ通信が安全に
そもそも、なぜブロックチェーンという新技術を旧来のインターネット上で活用しているのでしょうか。インターネット上で通信をする限り、システム障害はつきものですし、ハッキングなどのリスクも伴います。
分散化されたブロックチェーンネットワーク上でデータ通信を行うことで、ハッキングなどのリスクも回避できます。たとえば、ネットワーク上のブロックチェーン取引所からコインが奪われるということは起きなくなるでしょう。
また、データのやり取りが安全に行えるようになることは、個人間のデータ通信の安全性も高めます。
一度、携帯の端末の情報の登録をすれば、通話だけでなく、様々なやり取りがブロックチェーン上で行えるようになります。
例えば、友人に連絡を取りたい場合は”通話”や”メール”といったコマンドを入れるだけで、電話だけでなくメールのデータも、安全に送ることができるようになるでしょう。
またデータの共有も、同じパスを用いてアクセスすることが出来るようになります。
3.保護された支払方法の拡大
Pundi Xは、Vergeという暗号通貨と提携しています。
Vergeは、モネロ(XMR)、ジーキャッシュ(ZEC)、ダッシュ(DASH)に代表されるような匿名系の暗号通貨で、さらに素早い決済が可能という特徴を持っています。
Vergeの決済システムを導入することにより、匿名性を持った支払いをわずか5秒で完了できるようになります。
4.iOS端末への対応
プレスリリースの時点で、Pundi XのプログラムはAndroidOSのみの対応になります。iOSがシェアの60%強を占めている日本ではもちろんのこと、海外でもiOSのシェアは20~40%あるため、今後はiOSへの対応が待たれます。
おわりに
ブロックチェーン技術の発明によって、経済がインターネット上で動くようになっていく、なると言われました。今回のPundi Xの発表は、社会はさらに分散化、民主化に貢献するものになるでしょう。こうした技術の革新は私たちの生活を、さらに便利に、そして安全なものへと昇華させていくでしょう。