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暗号通貨によって、現実のものとなる海上の独立都市とは (後編)

暗号通貨によって、現実のものとなる海上の独立都市とは (後編)
2018年10月22日

前編では、海上都市構想とそれを取り巻く現状についてご紹介しました。

後編では、暗号通貨やブロックチェーン技術で、海上都市がどのように実現されるかをご紹介します。

 

いよいよ始まるBlue Frontier計画

 

2018年1月にポリネシア政府は、Blue Frontiers社と造成のためのスペース100エーカーを与えるオフショア特別経済地区を設立する覚書を交わし、自治を目指す浮島計画に寛大な政策、つまり干渉しない方針を打ち出しました。ポリネシアで洋上都市の建築を認める法案が可決されれば、2019年中の着工と2022年の居住開始を予定しています。

 

ICOによる資金調達も実施

 

2018年7月、Blue Frontier社はEthereumをベースとするVaryonトークン(VAR)を用いてICOを行い、3,100ETH(日本円にして、約7,000万円相当)を調達しました。VARトークンのうちの15%はファウンダーとエグゼクティブ、フルパートタイムスタッフとパートタイムスタッフ、100人以上のプロボランティア、アドバイザーからなるチームに割り当てられています。

自治圏内ではユーロなどの既存の法定通貨ではなく、地域通貨となるVARを用いて住居の購入やレンタル、海岸沿いのタイムシェア、行政サービス、公益事業、輸送、船積み、サービス産業活動などの決済を行います。旅行などで滞在する人もVARを用いて決済する必要があります。

 

新しい共同体運営の形

 

投票はVARトークンを使って行います。住居の所有者・居住者のトークンにはインセンティブが設けられ、非居住者よりも投票率は高くなることが予想されます。なお、居住年数によってもインセンティブが増すように設計されているため、長く居住している人が、より権利を行使しやすくなります。

 

希望の国は生まれるのか

 

BlueFrontier社は、効率化された自治政府のため、生活のための必要コストも低く、自治体へ納める税金も抑えられるため、だれでもやりたいことに挑戦しやすい自由な社会を目指しています。

洋上のエコシステム上での実証実験は、窮屈な国家に住めなくなった人々にとっても非常に有意義な試験となることでしょう。洋上建築が環境汚染につながらず、波や台風に対しての耐性を得るならば、人類が住めるエリアは、現在の三倍まで広がります。

ここで課題となってくるのは外交問題です。

2050年までに数千の洋上独立国家を創設するビジョンを描くSeasteading Institute社CEOのJoe Quirk氏は、「人々の間で移動する人が増えるほど、選択肢が増えるほど、平和と繁栄と革新を実現する可能性が高まる。」と語っています。

しかし、人々の移動の自由が高まり、技術的に経済圏の移動が可能になったとして、従来の国家は何もせずに自国民を自由に送り出すでしょうか。

もし、大きな国の首相や大統領だったら、前編で海上都市に理解を示したポリネシア政府とは反対に、自国と国交を結んでいない領土に住む人間に対して、自国に住んでいるのと同じ税法を適応するべく法を変えるといった方に舵を切るかもしれません。

願わくは、既存の国家が海上都市に理解ある対応を示すことを、そして自国を魅力的にすることで人々を呼び込むような政策を打ち出してくることを、期待したいものです。

Blue Frontier計画とともに、各国の政治的な対応からも目が離せません。