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日本の地方で始まるブロックチェーン経済の可能性とは(前編)

日本の地方で始まるブロックチェーン経済の可能性とは(前編)
2018年12月13日

エストニアでの仮想通貨の実証実験やイスラエルでのICOなど、海外から日々多くの仮想通貨ニュースが届きます。では、日本では仮想通貨技術はどのように使われているでしょうか。2018年6月に、三菱東京UFJ銀行が行内での実証実験を開始したというニュースもありましたが、実はすでに導入しようとしている自治体もあります。それは、横浜市や福岡市のような先進的大都市ではなくて、地方の小さな経済圏です。

 

岩手県遠野市「ネクストコモンズラボ」

 

「ネクストコモンズラボ(NCL)」という団体をご存知ですか?社会を変えるのではなく、新しく社会をつくることに力を注ぐことを目的に岩手県の遠野で設立されました。

現在では全国9拠点・台湾やベトナムなどのアジア圏まで広がる新しい経済のレイヤーを作ろうと試みています。

代表をつとめる林篤志氏はこのように語っています。

「今の日本は、かつての中間共同体がなくなって都市化していった結果、国家と個人の二項対立になっています。田舎も都市化していて、村全体が大家族のようなコミュニティは、ほとんど残っていません。」

そこでネクストコモンズラボ(NCL)では、人々が血縁でも地縁でもなく、価値観や共感、目指しているビジョンなどを中核にコミュニティを創ることができて、そうした新しい共同体が無数に生まれる仕組みを作ろうとしています。」

 

ネクストコモンズラボで大切にされる価値観と気づき

 

①インキュベーション(※新規事業の立ち上げを支えながら育成する事)

総務が行っている地方活性事業・地域おこし協力隊を利用し、起業家の誘致や支援を行います。起業家に対して、予算の3割である120万円を活用し起業支援やアドバイスを行います。1エリアにつき10名以上の起業家を採用することにより小さな経済圏・仲間を作り安定性を高め、また、起業のアドバイス・生活のサポートをする常駐スタッフを配備することにより、地域との連携や事業の成功性を高めているとのことです。

②コミュニケーション

インターネットからの情報発信、そして事業とのマッチングサービスも行います。事業を起こそうと思う人に、その土地だからこそできることやチャンスなどをリサーチし、プロジェクト案にして可能性を提示します。

③インフラ

全国の拠点をシェアハウス・シェアオフィス・コワーキングスペースなどにすることにより、ネクストコモンズラボに所属する人が各地域内を自由に移動できる仕組みを作っています。物件は空き家・廃校などをリノベーションして作る事が多いようです。

 

また、ネクストコモンズラボでは、ブロックチェーン技術を使った独自の仮想通貨プロジェクトも始めています。自治体ごとに地域ポイントを発行して、デビットカードを発行したり、取引所の設置も計画しています。

その特徴の一つは、「何に価値をつけるか」という部分でしょう。例えば、近所の家の犬の散歩をすることや子どもを預かることは、感謝はされますが、経済活動にはなっていませんでした。しかし、ネクストコモンズラボでは、このような感謝も経済活動になります。

ネクストコモンズラボに参加する人は、地域で求められていることに加えて、その位置情報をアプリ上で知ることができ、そのニーズに応えることでマイクロワーク(小さな経済活動)が発生し、地域通貨を得ることが出来ます。このような活動が、地域の緩やかな繋がりや助け合いを促し、地域経済をなめらかにしていくことを目指します。

また、林氏は仮想通貨の移動履歴をデータとして集めることによって、あることに気付いたと言います。

「2週間の間に100人ほどの人に、限定されたエリアで生活してもらい、そこで発行した通貨がどのように動いたかを可視化する実験をしました。すると、コミュニティの中にハブとなる人がいて、そこに通貨が流れることが判明したのです。現在の資本主義では、いわゆるお金持ちにお金が集まりやすいのですが、独自の経済圏を作ると、人の面倒を見る人・人がいい人・こまごました修理などができる人などに集まる傾向があるという結果となっています。」

つまり、通常の資本主義経済ではなく、感謝や信用といったものが媒体となる経済活動が生まれ始めるということです。

 

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