ロンドンの投資ファンド取引ネットワークの運営者であるCalastone社は、2019年5月までに決済システム全体をブロックチェーンに移行しようとしています。
ファイナンシャル・タイムズの報道によると、JPモルガン・アセット・マネジメントを含む1,700社以上の企業にサービスを提供しているCalastone社は、米国市場を除くファンドの流通コストを決済システムの移行により、34億ポンド(約4,800億円)削減することができると予測しています。
現在、Calastone社の資金決済プロセスは依然として手動で行われており、購入者・売り手・販売業者の間で月間9百万件を超えるメッセージと取引が行われています。
関係者が複数回同じ情報を提出する必要がなくなるため、これらのプロセスを自動化して安価で効率的にする方法として、ブロックチェーンに目を向けています。
2017年6月、Calastone社は、「分散型市場インフラストラクチャーのブロックチェーンの概念実証の第1段階の成功を収めた。」と述べています。当時は、システムを2019年に許可されたプライベートブロックチェーンネットワークに移行するとも言われていました。
Calastone社の副社長のKen Tregidgo氏は、「ブロックチェーン対応市場とは、経営の非効率性を緩和しパフォーマンスを向上させ、より大きなコストカットを生み出すことだ。」と語りました。
2016年のデロイトによる調査データを使用して、2月には、ブロックチェーンへの移行が世界のミューチュアルファンド(米国における一般的な請求により随時解約ができるファンド)市場を年間25億ドル(約2,800億円)以上節約できると予測しました。
アセットマネジメント業界の他のプレイヤーも、ミューチュアルファンドの取引をブロックチェーンプラットフォームに導入しようとしています。早くも2016年に、アバディーン・アセット・マネジメントとアヴィバ・インベスターズを含む5大英国のミューチュアルファンド事業者は、コストを削減するために取引システムのブロックチェーンの活用法の探索を始めていました。
昨年12月、米国のミューチュアルファンドマネージメントのヴァンガードは、間もなく一部の事業運営においてスマートコントラクトをすぐに開始すると語りました。ナスダックとスウェーデンのSEB銀行も2017年9月にミューチュアルファンド取引のブロックチェーンをテストしています。