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婚活も転職も!?ブロックチェーンによって変わるマッチングサービスとは

婚活も転職も!?ブロックチェーンによって変わるマッチングサービスとは
2018年12月25日

 

マッチングサービスとは

 

「インターネット登場以来の最大の革命」と言われているブロックチェーンですが、その応用は、仮想通貨以外の領域へも広がり続けています。中でも注目されているのが、「マッチングサービス」への応用です。

マッチングサービスとは、ユーザー同士をそれぞれのニーズに最適な組み合わせで引き合わせるサービスのことです。例としては、婚活サービス・転職支援サービス・ビジネスマッチングサービスなどが挙げられます。

ただ、伝統的なマッチングサービスには、次の3つの欠点がありました。

 

1.経歴・学歴・容姿・能力などの個人プロフィールの「ウソ」を排除できない(個人属性の透明性に関わる問題)

2.1のプロフィールが中央(事業者)のサーバーで管理されており、透明性がない(目的外利用・流出・悪用などのシステムの透明性に関わる問題)

3.マッチングの仕組みがブラックボックス化されており、最適な相手が見つからない(メカニズムの非透明性)

 

マッチングサービスとブロックチェーンの相性

 

マッチングサービスの3つの欠点を、ブロックチェーンはどのように排除できるのでしょうか?

1つ目のプロフィール等の「ウソ」については、次のように考えることができます。

婚活アプリにしても転職サービスにしても、ほとんどのユーザーは、自分をよりよく見せたいと思っているはずです。

婚活アプリでは、実際以上に学歴・収入・容姿をよく見せれば、それだけいい相手にめぐりあう確率が増えます。

転職サービスでは、能力・資格・保有スキルを、より多く、より豪華に飾り立てれば、よりよい職やポジションにつけるかもしれません。

問題はこうした個人属性が基本的に自己申告で、原理的にはいくらでも嘘をつけ、かつ嘘をつく動機がユーザー側に存在するということです。

こうした虚偽を防ぐのに、ブロックチェーンの持つ透明性と普遍性という特性が役に立ちます。

ブロックチェーンを採用したマッチングサービスでは、ある個人の属性を友人や見ず知らずの第三者がエンドース(裏書き)すると報酬がもらえるメカニズムが取り入れられています。

中央の事業者が個人属性を保証するのではなく、ユーザー同士が保証しあうことで、システム全体の透明性が高まる仕掛けになっているのです。

2つ目のシステムの透明性については、ブロックチェーンの持つ「分権型」という特徴が最も生きるところです。

従来の中央集権型のシステムでは、事業者(中央)のサーバーにすべての個人データが裸のまま(事業者から見える形で)保存されており、事業者が悪意を持ってそれを利用しようとすれば、利用者側にできる対抗手段は、ほとんどありませんでした。

ところが、ブロックチェーンを使ったシステムでは、中央の事業者側から見てもわからない形で情報を保存しておけます。

そのため、これまでのように「事業者にすべてを握られる」ということがなくなるのです。

3つ目のマッチメイキングこそが、ブロックチェーンベースのマッチングサービスの得意分野です。

ブロックチェーンベースを使って、サービス内通貨を発行し、それを元にきちんとした人物を紹介することに対して誘因を与えることができます。

それによって、運営の介在を経ることなしに、マッチメイキングの精度を上げているのです。

 

ブロックチェーン&人工知能のVoila.AI

 

それでは、具体的なサービスを紹介していきましょう。まずは、婚活サイトからです。

ブロックチェーンのポテンシャルと、人工知能の能力を組み合わせた全部入りとも言える婚活サイトが、Viola.AI(ヴィオラAI)です。

Viola.AIは、IDの保証とフェイクプロフィールの追放にブロックチェーン技術を利用しています。ユーザーのプロフィールは、REL-Registryという名のブロックチェーンに保管され、変更できません。

Voila.AIは一旦プロフィールを、ユーザー相互の認証とソーシャルアカウントによって証明します。

一旦プロフィールが証明されると、ユーザーは音声制御のAI「ヴィオラ」と相談しながら、好みのパートナーを探すことになります。

ヴィオラは、14年間にわたって蓄積された11億ものデータに基づき、利用者がパートナーと健全な関係を築けるように詳細なアドバイスを行います。

例えば、デートの約束の前に、適切なプレゼントを購入するよう促したり、誕生日を忘れないようにアラートを出す事が出来ます。

ブロックチェーンの利点とビッグデータを背景とした人工知能の支援を組み合わせた注目のサービスです。

 

赤の他人の仲人になる?〜Ponder

 

お見合いというと古臭いイメージもありますが、現実のマッチメイキングのほとんどは、リアルの人間関係の中から、お見合いに似たようなプロセスで実施されているのも事実です。

Ponderは、このマッチメイカーのようなプロセスをネットで再現したサービスで、友人同士を紹介できるのはもちろん、まったく知らない人でも紹介できるのが特徴です。

紹介した二人がお互いを「いいね!」すると、それだけで10ドル、結婚まで行き着いたら、さらに1,000ドルのリワードが、紹介者に支払われるのです。

これによって、機械的なリコメンデーションではできないマッチメイキング、つまり現代版「お見合い」が再現できる仕組みになっています。

 

採用のプロセスを合理化する〜HireMatch

 

次に転職支援サービスの実例を紹介します。最初に紹介するのは、スタートアップ企業のHireMatchです。

転職支援サービスのHireMatch.ioは、3つの面で転職市場を革新すると謳っています。彼らが注目するのは、現在の転職市場において、採用側が抱える問題です。

第一に、「理想の求職者の注目を引けない(ノイズが多い)」問題があります。

HireMatchでは、採用エージェントの持つ個人的コネクションを活用します。エージェントのFacebook・LinkeIn・個人的な連絡先を使って、合う候補者を探してきます。

第二の課題は、「採用側の条件にきちんとあった候補者を選ぶのが難しい」事の問題です。

この問題に関して同社は、ブロックチェーンをフル活用して合理化を図ります。

まず、採用企業の人事担当者は、HireMatchの独自仮想通貨”HIREトークン”を1万枚購入します。

次に担当者は、この1万HIREを使ってEthereumブロックチェーン上で、求人広告をスマートコントラクトとして発行します。

次に、採用側の示した条件に合致する転職エージェントの元に、このスマートコントラクトの発行が通知されます。HireMatchにはAPIが用意されているので、転職エージェントは人間でも、botでも大丈夫です。

転職エージェントは通知を見て、条件に合致しそうな候補者のFacebook・LinkedIn・電話番号をその通知に対して告知します。

そして、当該候補者が採用になった暁には、HIREトークンが採用に関わったすべての関係者に分け与えられるのです。

「こうしたプロセスを導入すれば、徹底した合理化が進み、転職市場の第三の問題である採用コストの高止まりも解消できる。」と同社は主張します。

 

老舗転職支援サービスもブロックチェーンへ〜Job.com

 

転職支援サービスのJob.comは、老舗の転職支援サービスです。会員数は6,000万を超えています。

そのJob.comがブロックチェーンベースのシステムに乗り換えることを発表したのは、2018年春のことでした。

Jobs.comの戦略転換のゴールは、採用プロセスからのリクルーターの排除です。そしてリクルーターに支払っていたお金を、被雇用者に振り向けることです。

同社のシステムでは、採用企業と求職者の間をなるべく直で結び、採用フィーを、従来の20%から6%にまで削減できました。

従来のシステムでは、リクルーターは自分だけが持っている情報を使って、自分のフィーを引き上げるためにいろいろな策を用いることがありました。

これに対してJob.comは、リクルーターを排除することで全体のコストを削減し、さらにマッチング失敗費用も削減できたことになります。

また、ブロックチェーンの採用によって、求職者は採用に必要のない情報を採用企業に対して完全に秘密にすることができるようになりました。

そして採用企業と求職者との間のネゴシエーションの過程も、ブロックチェーン上に記録することで、”言った、言わない”問題を排除できたということです。

 

まとめ〜理想のインターネットを取り戻すブロックチェーン

 

インターネットの発明は、現実世界のコミュニケーションや取引で必要だった「仲介者の必要性」を大幅に減らしました。

かつて商業には、小売や卸売の存在が不可欠でしたが、インターネットの登場で、生産者と消費者が直接つながることが可能になり、仲介者の多くが市場から退出させられました。

ところがコミュニケーションや取引のほとんどがそのように分権化されたにも関わらず、代わって別の形の仲介者が巨大化するようになりました。

これは、「認証」の基盤を掌握する新しい形の仲介者です。「GAFA」と総称される巨大IT企業、すなわち、Google・Amazon・Facebook・Appleは、膨大な個人データと、それに紐づく認証システムを握ることで、本来は分権的だったインターネットに、中央集権的なコミュニケーション空間を作り、その独占力で巨大な富にかえてきました。

個人のデータは、本来、個々が所有するものです。しかし現在のインターネットにおいて、確実な個人認証を行うためには、中央の認証サーバーで、台帳との照合を行う必要があります。そして利用者にとって、このようなサーバーは少なければ少ないほど利便性が高まります。これが、本来は分権的で自由なはずのインターネットが、集権的で不自由になってしまった理由です。

変更不可能でセキュアな分散型台帳であるブロックチェーンは、インターネットを再び元の理想「分権的で自由なネットワーク」に返すためのマイルストーンとなると言われています。そして、容姿・学歴・経歴などの個人のセンシティブな情報を扱うマッチングサービスは、ブロックチェーンの無限の可能性を試すのに、またとない領域と言えるでしょう。今後のマッチングサービスの動きが注目されます。