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ソニーも参入!?ブロックチェーンを使ったコンテンツ権利処理システムとは

ソニーも参入!?ブロックチェーンを使ったコンテンツ権利処理システムとは
2019年1月10日

 

ソニーのコンテンツ権利処理システム

 

2018年10月15日、ソニー株式会社及び関連会社が、ブロックチェーンをベースとした「デジタルコンテンツの権利処理システム」を開発したと発表しました。

当該システムは、ソニー株式会社と株式会社ソニー・グローバルエデュケーションが開発した「教育データの認証・共有・権限管理システム」をベースに、デジタルコンテンツに関する処理機能を追加したものです。

株式会社ソニー・グローバルエデュケーションは、2015年に設立された新しい企業で、「ブロックチェーンを使った学習到達・活動記録システム」の内容を2017年8月に発表しています。

今回は、同社とソニー株式会社・株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントを加えた合計3社で、この技術をデジタルコンテンツの著作権管理に応用した新プロダクトを開発したとの事です。

ブロックチェーン技術の誕生以来、ソニー株式会社はその応用にアグレッシブに取り組んでおり、2018年8月には、米国でブロックチェーン関係の特許を2つ申請したことが報道されました。「ブロックチェーンと権利管理」というと、人によってはイメージが結びつかないかもしれません。

しかし、実は著作権管理は、ブロックチェーン登場以来、最も熱い注目を集めてきた分野です。

 

なぜ著作権管理が注目されているのか

 

これまでの著作権管理は、「中央集権型」でした。”誰が、どの作品に対して、どのような権利を持っているのか”を記した台帳(データ)を、JASRACのような著作権管理団体が管理・維持し、それに基づいて紛争の調停や権利金の徴収・分配などが行われていました。

しかし、デジタル技術の発展で、このような管理方法は限界を迎えています。デジタル技術の発展といっても広すぎますが、大きく分けて3点の側面が指摘できます。

1点目は、デジタル制作の技術の発展です。音楽を例に取ると、従来は高価な楽器・スタジオ・録音設備がなければできなかった精緻で高品質の楽曲(データ)の制作が、今では誰にでもできるようになりました。またバージョン違いやリミックス版が、いくらでも作れるようになりました。

2点目は、YouTubeやニコニコ動画に代表される、CGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)やSNSの発展です。

こうした発展により、誰もが自由にクリエイターになれる時代が到来しました。また、それによって無数の作品がネット上に溢れかえるようになりました。作品発表や流通の舞台が増えるとともに、管理すべき作品数も爆発的に増えたのです。

3点目は、上記のようなトレンドの中で加速された「マッシュアップ」の文化です。マッシュアップとは、他人の作品を混ぜ合わせて、自分なりのアレンジを施して新しい作品を作ることです。アナログレコードの時代から、ヒップホップの世界では実践されていましたが、デジタル制作技術の発展で、これが以前よりはるかに容易になっています。

N次創作(2次創作や3次創作の次数をまとめてN次創作と呼ぶ)の一般化は、著作権に関わる権利処理や収益分配を困難にします。オリジナルの作品についての情報だけでなく、どの作品がどの作品を元に作られたかという情報も管理しなければならないので、さらにその派生についての情報は、どんどん増えていくでしょう。

上記3点により、中央集権型管理が限界にきているという認識が、広く共有されるようになっています。

著作権管理に関わる実務が困難になるこんな情勢の中、打開策として期待されているのがブロックチェーン技術です。

 

ブロックチェーンが著作権管理を救うワケ

 

なぜ、ブロックチェーンが煩雑化する一方で、著作権管理を救うと考えられているのでしょうか。

それは、ブロックチェーンのもつ「変更できない分散型台帳」という特徴に由来します。

この特徴を活かして、ブロックチェーン上に作品についての情報(所有者・契約者・契約条件等)を記録し、それに基づいた「契約内容」を作成します。このスマートコントラクトが、中央のサーバーを省いて権利処理・収益分配を可能にするのです。

スマートコントラクトは、「自動販売機」に例えられるように、契約の実行(ロイヤリティなどの支払い)を自動化します。

著作権管理会社は、増える一方の著作物利用の調査のために、カラオケ店に職員を派遣しているなど膨大な人件費を支払っています。

スマートコントラクトを使えば、こうした費用の軽減化が図られるとともに、現在のような中央集権的組織が不要になると期待されているのです。

 

他にもあるブロックチェーン活用事例

 

実は、ソニー株式会社以外にも、著作物に関わる権利処理にブロックチェーンを活用しようという動きは多数あります。

2015年から続いているサービスに、「Ujo Music」があります。Ujo Musicは、Ethereumベースの分散型音楽配信プラットフォームです。支払いは、Ethereumの通貨であるETHで行います。

2016年3月には、Blocaiというスタートアップが、著作物をサイト上にドロップする「証明書」が作成されるサービスを始めました。その後、同社はTwitterでつぶやくだけで証明ができるサービスも開始し、2017年5月には日本の朝日新聞社などから出資を受けて、名称も「Binded」と改めました。

2016年7月に公開された、”分散型Netflix”と呼ばれる動画配信サービス「SingularDTV」も、ブロックチェーンベースです。こちらは、独自通貨によって支払いをするタイプです。

2017年2月には、「Musicoin」というサービスが公開されました。Musicoinは、ブロックチェーンを使った非集権的な音楽シェアリングサービスであり、リスナーは、Musicoinという独自通貨を使って支払いを行い、その収益は、当該楽曲の創作に携わった人に適切に分配されるようになっています。

2018年6月には、Microsoftがコンサルティング会社のEY社と協力して、オンラインゲームなどを対象とした著作権管理システムを発表しました。

このように、著作物の管理は、ブロックチェーンのシーンにおいて、いま最もホットな領域になっています。

こうした動きが一般化すれば、コンテンツ業界やメディア業界のあり方は激変することでしょう。

「コンテンツ」×「ブロックチェーン」の組み合わせから、今後どんな新発想が飛び出してくるのでしょうか。まさに目が離せません。

 

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