2017年12月、国税庁より仮想通貨の利益は雑所得で扱うと発表がありました。内容は、ある程度予想通りでしたが、12月という発表時期と雑所得という節税がしにくい区分だったこともあり、大きな衝撃を与えました。
2018年12月にも、消費税などを含んだ2019年の税制改正大綱が発表され、仮想通貨関連の税制に動きがありました。
改正によって何が変わったか(法人)
大きく変わったのが法人に対する課税です。
期末時点で保有している仮想通貨に対し、短期売買商品や売買目的有価証券等と同様に時価評価を行い、利益が出ている場合は課税されることになりました。
これまでは、保有しているだけの仮想通貨に関しては、含み益が出ている場合であっても認識されず、課税対象ではありませんでした。
前述の通り、2017年末に発表された仮想通貨への課税の方針で、個人が仮想通貨で得た利益は雑所得となったこともあり、2018年には節税を目的とした法人化を勧めるような動きも多く見られました。
そのような目的で2018年に法人化した方の中には、含み益はあっても、納税するための現金がない状態の法人があることも想定されます。
もちろん他の法律と同様に経過措置の期間が設けられているため、2019年4月1日を含む事業年度に限っては、保有している仮想通貨を売却して納税するための現金を用意しないといけない訳ではないですが、2019年4月1日以降に始まる事業年度に関しては期末の評価額に応じた法人税が課されるため、今後は納税を見据えた運用をしていく必要があると言えます。
改正によって何が変わったか(個人)
個人に関しても変更がありました。しかしながら、法人の変更に比べると軽微なものです。
これまでは仮想通貨の取得価額の算出方法について法令上は記載がなく、国税庁の公表した「移動平均法、または総平均法で算出することが相当である」という発表を元に算出していましたが、今回の改正でこれが明記されました。
また、国税庁のHPにて仮想通貨の計算書が公開されており、自身で計算することも容易になりました。
まとめ
以上が、平成31年の税制改正における仮想通貨の部分の解説でした。法人で運用されている方は、納税のため、不本意なタイミングで現金化することにならないように、しっかりと計画して投資をしましょう。