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離婚の慰謝料を仮想通貨で支払うことは可能なのか?

離婚の慰謝料を仮想通貨で支払うことは可能なのか?
2019年3月18日

慰謝料も仮想通貨支払いに?

仮想通貨は従来の投資商品という域を超え、買い物などの代金決済はもとより、医療法人、クラウドファンディングなどへの寄付など用途が多様化しています。

多様化が進むにつれ、仮想通貨がどこまで法定通貨の代わりとして認められる気になる人もいるでしょう。本記事ではその一例として、仮想通貨を慰謝料として支払うことは可能なのか検証しました。

 

仮想通貨による慰謝料の支払いができる可能性は低い

結論からいうと、現在の日本での社会体制では、慰謝料を仮想通貨で決済できる可能性は低いです。仮に仮想通貨での支払いを申し出たとしても、自身で売却した上で支払うことになる可能性が高いでしょう。

慰謝料について定めた民法第417条を確認すると、不貞行為など当事者の落ち度により離婚を余儀なくされた場合をはじめ、相手に精神的苦痛や財産的損害などを与えた場合、金銭賠償が原則となると定められています。

一方で仮想通貨は仮想通貨法により以下のように定義されています。

1.代金支払い時にあらゆる相手に対し手段として使えること

2.誰でも購入・売却ができる財産的価値であること

3.電子機器などにデータとして記録され、情報処理システム (インターネットなど) を経由して移転できること

4.日本や外国の通貨、および通貨建資産とは別物であること

仮想通貨は、法定通貨とは別物と定義されている以上、円やドルなどの貨幣とは同等に扱われず、株やFXなどの金融商品と同じく財産的価値を持ったものとみなされます。

民法第417条で定められた「金銭」は法定通貨を意味するので、法定通貨ではない仮想通貨は金銭にあたらず、慰謝料として決済できる可能性は低いということになるのです。もちろん慰謝料を支払うような状況になること自体避けなければなりませんが、万が一支払うようなことになってしまった場合は、日本円などに換金したうえで払いましょう。

 

上記は一般的な法解釈の話になりますが、合意の上で円満離婚する夫婦が、それぞれ仮想通貨取引所に登録しており、日常的に仮想通貨決済を使っているようなであれば、慰謝料が円でなくBTCなどの単位で提示され、支払われるといったことも起こりうるでしょう。

民法第417条で定めた金銭賠償は「原則」であり、「義務」ではありません。あくまでも一般的な法則であり、例外の余地を認めないとは示していません。以上のことから、双方の合意があれば仮想通貨で慰謝料が決済される可能性もあります。

しかし仮想通貨も株やFX同様、一定時間ごとに価格が変化しますので、慰謝料として決済する場合は弁護士などの専門家も交えて話し合い、慎重に考慮することが重要です。

以上のことから、仮想通貨が慰謝料として決済される可能性は0とは言えませんが、基本的に慰謝料は法定通貨で支払われることになるでしょう。

 

仮想通貨は財産分与の対象になる

仮想通貨は慰謝料で決済できる可能性は低いですが、財産分与の対象になる可能性はあります。仮想通貨法により財産的価値を認められているからです。しかし財産分与の方法は、弁護士間でも議論になっているようです。

財産分与は基本的に法定通貨に基づいて計算されますが、仮想通貨は秒単位で値動きする関係もあり、計算するタイミングにより分与額が変わります。離婚調停時か裁判時かで仮想通貨の価値も変わるため運任せの要素も含んでいます。

また、離婚を専門とする弁護士の一部は、仮想通貨が財産分与の対象になっても、実際に分与されない可能性があると指摘しています。離婚する夫婦の片方が相手に内緒で仮想通貨投資をしていて、離婚時に隠し通してしまうおそれが理由に挙げられています。

そのほかには、分与されても本人にしかウォレットにアクセスする秘密鍵が分からないケースを心配する人もいるでしょう。しかし離婚相手が仮想通貨を所有している場合は、相手側に請求することで秘密鍵を開示してもらう方法があります。仮想通貨保有者が離婚時の請求に応じて仮想通貨を公開次第、価格計算や財産分与が行われると考えられます。

 

まとめ

現在の日本社会の法体制では離婚などの慰謝料を仮想通貨で決済できる可能性は低いです。仮想通貨は正式な金銭とは認められていませんが、離婚する夫婦双方の合意により仮想通貨で慰謝料が決済される可能性もあります。

何れにしても、法整備が追いつくまでは離婚時の慰謝料や財産分与に仮想通貨が含まれる場合は、弁護士などの専門家を交えた慎重な検討が通常の場合以上に必要と言えます。