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給料を仮想通貨で払うことは可能なのか?

給料を仮想通貨で払うことは可能なのか?
2019年3月27日

現在、仮想通貨の用途は投資対象の資産の枠を超え、多様化しています。ネットショップの商品や飲食代金の決済、通貨自体をシステム源としたゲームやアプリの開発、チャリティー団体への寄付など、仮想通貨の種類によって様々な使い方が世に知られています。

そこで気になるのが、私たちがそういった色々な使い方をする前の段階、私たちに給与として支払われる賃金が仮想通貨になることがあるのかという疑問です。本記事では、現行法と事例をもとに給料を仮想通貨で決済してもいいかを解説します。

 

いきなり結論になりますが、給料を仮想通貨での支払うことは合法になる可能性が高いです。

2017年12月に、仮想通貨取引所のGMOコインをグループ内に持つGMOインターネットグループでは「給与の一部をビットコインで受け取ることができる」という制度を導入しています。

また2018年の11月には国税庁の出した「仮想通貨に関する税務上の取り扱いについて」の中に、「仮想通貨で給与を支払った際の源泉徴収をどうするか」と内容もあることから、国も仮想通貨による支給を想定していることが伺えます。

 

法律の面から見てみると、労働基準法第24条によると給料は「賃金支払いの5原則」で以下の様に定められています。

 1.給料は通貨で払うこと (日本円などの法定通貨)

 2.労働による発生分の全額を対象とする

 3.毎月一回以上は給料を払う

 4.給料は一定期日に払わなければならない

 5.給料は労働者に直接払う (代理に払うことはできない)

これらをみると、給料は必ず法定通貨で払わなければならず、仮想通貨をはじめとしたデジタル資産や現物による支給は合法でないように思われます。しかしこの5原則には例外があり、そのうちの一つに法定通貨で払わなくても許されるケースがあります。

それは労働組合と使用者との間で締結する労働協約に「賃金は現物支給で支給されることがある」と明記されている場合です。

現物支給の全てが認められるわけではなく「換金性に欠けるもの」や「価値の評価が困難なもの」は不可能とされているため、上場していないマイナーなトークンでの支給は認められないかもしれません。しかし前述のGMOのようにビットコインでの支給であれば換金性もあり、価値の評価も困難とは見なされないでしょう。

また、上記の原則はボーナスなどの臨時手当や賞与には該当しないため、あらかじめボーナスの支給が取り決められている場合を除き、仮想通貨で支給したとしても問題ありません。

 

法的な問題以外にもう1つ懸念されるのが、仮想通貨の価値です。

仮想通貨は数日のうちに大きくレートが変わることが往々にして起こりうるため、「締日or支払日」や「販売所or取引所」のいずれかを採用するか事前に取り決めておく必要があります。

そこを明確にしておかないと「受け取る側は締日のレートで支払われるつもりだったが、締日から支払日までの数日間のうちにレートが上がり、会社は支払日のレートで支払ったため、結果として高掴みしてしまった」ということも起こり得ます。

そういった意味では、法定通貨とペッグしたステーブルコインであれば価格変動のリスクもないため、給与支払いの手段に採用されるかもしれません。

 

仮想通貨に関する法整備はまだ十分とは言えませんが、仮想通貨による給与支払いについては政府にも動きがあります。

2018年の12月に、規制緩和についての議論を行う国家戦略特区諮問会議で、電子マネーによる給与支払いについての議論を行なっています。先月、厚生労働省から「デジタルマネーでの給与支払いが可能になるよう、規制緩和する」という発表がされており、早ければこの改正は今春にも行われる可能性があります。

今回の改正は、あくまで電子マネーを対象にしたもので仮想通貨は含まれておりません。しかし、導入の背景に、日本での銀行口座開設の難しい外国人労働者の受け入れというものがあるため、送金手数料の安さがメリットとなる仮想通貨にも行く行くは間口が広がって行くかもしれません。