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ブロックチェーンはブラック企業を止められるか

ブロックチェーンはブラック企業を止められるか
2019年4月15日

近年、日本で問題になっているブラック企業、その解決にブロックチェーンの力が役立つかもしれません。

この動きは日本に限らず、世界レベルで広がっています。本記事ではその導入事例や、今後の取り組みについて解説します。

 

日本におけるブラック企業問題とブロックチェーンによる抑止力

 

ブラック企業とは、法を無視、あるいは不備を悪用することで従業員に低賃金かつ長時間の労働を強制する企業です。

ワーキングプア問題や、自殺に追い込まれたといった報道も多く、深刻な社会問題になっています。

ここで、改ざんすることが出来ないというブロックチェーンの特性を活かすことで、企業側による勤務時間の不正計上を防ぐことが出来れば、サービス残業や休日出勤を強制するといったブラック企業の行為を抑止することが出来るかもしれません。

 

海外におけるブロックチェーンと労働環境の改善

 

いわゆる「ブラック企業」は日本固有の問題ではありません。

それに類する「Sweatshop」や「血汗工廠」ということが示すように、国や業種によって内容は異なるものの労働環境に関する問題は海外でも多く取り沙汰されており、これを解決するためにブロックチェーンの技術が導入され始めています。

2019年1月17日に、アメリカのシステムインテグレーター大手であるIBM、同じくの自動車メーカーのフォード、韓国の化学メーカーであるLG化学、中国のコバルトメーカーである華友鈷業、イギリスのコバルトメーカーであるRCSグローバルが、健全な労働環境のもと生産された鉱物資源をチェックするため、業界を超えたネットワークを構築したことを発表しました。

このプロジェクトは、コンゴでコバルトの採掘を行う華友鈷業のサプライチェーンを追跡するものです。

 

コバルトはリチウムイオン電池の原料として知られ、パソコンやスマートフォン、電気自動車と言った私たちが日常的に使用する多くのものに使用されています。

そのコバルトの主要生産地であるコンゴでは、いつ崩落の恐れがあるかもわからない坑道の中で、機械も使わず素手で鉱物を掘るという非常に劣悪な環境での労働に約10万人以上の人が従事しています。この10万人の中には10歳未満の子どもも相当数含まれています。

この問題は10年以上前から指摘されており、劣悪な条件で採掘されたコバルトを市場から締め出そうとする試みはこれまでも言われて来ましたが、政情が不安定なことから汚職が蔓延しているというコンゴの地域的な要因もあり、有意義な結果をこれまであげられませんでした。

今回のプロジェクトはブロックチェーンで流通管理を行うことで、コンゴの鉱山でのコバルト生産からはじまり、LG化学のバッテリー生産工場への運搬、フォードの工場への到達までの流れをチェックします。一連の流れでの採掘・加工状況が逐一ブロックチェーンに記録され、健全に手順がこなされているかを監視します。

労働者にとっても安全を守られやすくなり、企業も健全なプロセスで生産された製品であることを消費者にアピール出来ます。

同様の動きは、コカコーラ社も見せており、砂糖の原材料の調達先に導入することを明らかにしています。

 

ブロックチェーンによる労働管理の実例と将来性

ブロックチェーンによる労働管理の実例はほかにもあります。

日本では副業勤務実態をブロックチェーン管理

日本では近年、ブロックチェーンを社員の副業支援に利用するケースが見られるようになりました。日本では政府が推進する働き方改革の一環として副業や兼業が推進されています。しかし実際に副業・兼業人口が増加すると労務管理が複雑化したり、忙しさからくる社員のモチベーションや健康状態に影響が出たりするなどの懸念材料もあります。

テックビューロが開発するブロックチェーン「mijin」はトークンの発行や取扱が自由に行えるシステムですが、労務管理も実験的に運用しています。トークンをタイムカードがわりに勤務先で認証することで、労働者の労務実態をデータ管理します。

Levi’sの労働安全衛生マネジメントシステム

デニムジーンズのブランド「Levi’s」で有名なアメリカの衣料品メーカー「リーバイ・ストラウス」は、工場の労働環境を健全に保つため、ブロックチェーンを利用した労務管理を実施しています。

ハーバード大学公衆衛生大学院の衛生管理システム「SHINE」により、延べ9,000人以上の労働者が幸福度と健康状態の調査を受けています。これを正確に測定することで労働環境の維持や過労などの健康被害の防止に役立てられます。

Levi’sのように労働者の健康や幸福度を管理する目的でブロックチェーンが職場に導入されれば、労働時間を改ざんし労働者に長時間のサービス残業を強いるなどのトラブルも予防できます。このように世界的にはブロックチェーンが労働者を悪質な企業から守る鍵となりつつあります。

 

まとめ

ブロックチェーンで悪質な労働環境を改善する動きが世界的に広まっており、官民問わず様々な組織が労働環境の改善・管理に踏み出しています。

現段階では「先進的な取り組み」と言えるものですが、こうしたことがスタンダードになっていくことで、少なくとも現時点で問題になっているよう形態の「ブラック企業」や「労働問題」は改善していくでしょう。

 

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