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マイニング事業に吹く逆風と宇宙人探査

マイニング事業に吹く逆風と宇宙人探査
2019年5月31日

サイバーセキュリテイを行なっているGuardicore社のレポートによると、全世界5万台以上のサーバーに「タートルコイン」という仮想通貨を不正にマイニングするマルウェアが感染していることがわかりました。

このマルウェアは、情報通信やIT企業、ヘルスケアなどの業種のサーバーを主に感染先としていました。

マルウェアによる不正マイニングの報告はこれまでにもありましたが、今回のものは「システムの脆弱性を突く」、「偽の証明書を発行する」といったプロのハッカーが使うような手口を用いているという点で、これまでとは異なるそうです。

同社の報告によれば、こうした高度な技術に簡単にアクセスできるようになったことで、このままでは悪用する人間の裾野が広がってしまうことを懸念されるとのことです。

 

不正なマイニングが広がる一方で、ビジネスをしてのマイニングは陰りを見せています。

ビジネスで大規模なマイニングを行うマイニングファームといえば、膨大な電力を必要とするため電気料金にばかり注目されがちですが、それ以外にも重要視されているのが機器が発する熱への対策と、物理的な治安です。

こうした理由で、単純に電力の安さでいえば赤道に近い南米のベネズエラやトリニダード・トバゴといった国が上位に来るものの、大手のマイニングファームはアメリカでカナダに隣接する州や、スイス、ロシアなどに拠点を置いています。

24時間フル稼働する為、機械の温度を熱対策が必要となりますが、元々気温が低い地域であれば、エアコンを付けっ放しにする必要がありません。

イギリスの北西に位置するアイスランドも同様の理由で、マイニングファームが活動を行なっています。

当初は地元からも歓迎されていたマイニングファームですが、その消費電力量が住民の消費量を上回ったことと、高まる電力需要に応える形で新たに発電インフラを整備拡大する必要があるとわかってからは、風向きは変わったといえます。

アイスランドは、発電の大半を地熱発電や水力発電でまかなっているため二酸化炭素こそ排出しませんが、仮に発電インフラを拡大するのであれば、天然温泉地の上に発電所を作ったり、より広いエリアをダムの底に沈めるといった形で環境に負荷をかけることになります。

 

また、それ以外の業界にもマイニングは影響を及ぼしています。

SETI (Search for Extraterrestrial Intelligence、地球外知的生命体探査)は、「まだ見ぬ宇宙人を発見するために、宇宙から飛んでくる電波を受信、分析する」と「ボランティアコンピューティング(難病の研究や、気候の解析など膨大なコンピューターリソースを必要とする事業に、アプリ等を通じて自身のPCやスマホを利用させること、報酬なしにマイニングするようなイメージ)という概念の実現性と実用性を証明する」という2つを目的として設立された団体です。

この団体は、アメリカ国内で最高峰のエンジニスクールの地位を確立しており、仮想通貨やブロックチェーンにも先進的な取り組みをみせているカリフォルニア大バークレー校が運営しているものです。

仮想通貨のマイニングなどで2つ目の「ボランティアコンピューティング」に関する目的は達成されたと言っても差し支えありませんが、1つ目の「宇宙人探索」は、他ならぬマイニングによって一時期困った事態に陥っていました。

というのも、広大な宇宙から地球に降り注ぐ様々な電波を受信し、それを解析するには膨大な数のコンピューターが必要となるのですが、世界的なマイニングブームによって高性能なグラフィックボードを誰しもが買い求めた為にGPUの価格が高騰し、結果として当初の予算では十分な量のGPUが確保できないという事態に陥ってしまったのです。

幸いというべきか、2018年の仮想通貨の価格の下落により、採算割れとなった事業者が撤退したことでマイニング熱も落ち着いて来たため、GPUの価格も大分下がりました。とはいえ、再び1BTCが100万円を越えようとしていることを考えると、宇宙人探査をしている天文学者は、GPUの確保にまた頭を悩ませることになるかもしれません。

 

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