6月に入り、日本にも雨のシーズンがやってきます。
薄着になる機会の多い夏を前にすると、誰しもが頭をよぎるのが体型の維持です。とはいうものの「夏だから」と言う漠然とした目標しかなければ、モチベーションも上がりにくいのも事実です。
そんな悩みを解決するためのユニークなシステムが開発されました。その名も「Crypto Punching Bag」、日本語で言えば「仮想通貨サンドバッグ」といったところでしょうか。
このシステムを開発したのは、起業家のAmr Saleh氏です。同氏はブログで開発の経緯を以下のように語っています。
私は総合格闘技が好きで、自ら体を動かすことが好きです。
しかし仕事が忙しく、コンスタントにジムに通うことが出来ずにいたため、
せめて自宅でやれたらと思い、サンドバッグを購入したものの、今度はモチベーションの維持に苦しむことになりました。
これを解決するアイデアは、去年の9月にベルリンでイーサリアムハッカソン※に参加した時に見つかりました。
私たちのチームは、サンドバッグに動体速度センサーとブロックチェーンを組み合わせることで、個人のフィットネスの
記録をブロックチェーン上で管理するサービスのプレゼンを行ったのですが、
これに貯金箱を紐付けすることを思いついたのです。
※ハッカソン=hackathon、広義でソフトウェアエンジニアリングを指す”hack”と長距離走のマラソン”marathon”を合わせた造語
プログラマーやデザイナーが数日に渡って製作に没頭する、ソフトウェア関連プロジェクトのイベント
帰国したSaleh氏は早速開発に着手しました。
完成したイーサリアム貯金箱付きのサンドバッグには、スマートコントラクトでロックが掛けられるようになっており、同氏は、手始めにサンドバッグのウォレットに100ドル入れ「10日間、毎日500発のパンチをする」と目標を設定しました。
10日後。目標が達成されれば100ドルは再び手元に戻ってきますが、達成できなければ、100ドルは自動的に慈善団体へと寄付される設定です。
同氏は「このシステムを作ったことにより『トレーニングをサボると確実に損をする』と環境が出来ました。」と語っています。
上記の動画でこのシステムに必要なものを解説しており、材料が揃えば誰でもこのシステムを組めると語っています。
また、Saleh氏このシステムに使っているブロックチェーン開発のための基盤であるElkを「仮想通貨を(使ってハードウェア動かすことで)現実世界に結びつける手段」と評しており、6月にこれを使ったビジネスを始めるためのクラウドファンディングを行うつもりであるとしています。
最近、スマートフォンやゲーム機を強制的に触れなくしたり、ダイエット中におやつを食べないための手段として「一定時間が経過するまで絶対に開かない時限ボックス」といったものが話題になっています。
そういった現状を鑑みると、より詳細な設定が可能なElkを使ったハードウェアが普及する余地もあるのかもしれません。