一時は再び1BTC=100万円を超えるかと思われたビットコインですが、1週間前に90万円を切ってからは80万円台を推移しています。このまま売却をするか、それとも再びの上昇を期待するか、売り時の判断はとても難しいものです。
ビットコインそのものの売り時の見極めは難しいですが、それを扱う仮想通貨業界に自分を売り込むタイミングの見極めは、案外簡単かもしれません。
日本のリクルート社の傘下のIndeed社が、米国と英国で試験的に行っているエンジニアに特化した求人サイト、「Indeed Prime」では、2018年の2月から2019年の2月までの1年で、米国に於ける仮想通貨・ブロックチェーン・ビットコイン関連の求人数が約2倍に跳ね上がりました。
2018年2月から2019年2月というのは、ビットコインの金額が下がり続けていた時期です。
同サイトでは、これ以外にも仮想通貨関連の求人に関する情報が載っています。
上の図が示す通り、求人の検索数(青い線:100万回の検索のうち、仮想通貨関連のものが検索された数)は、ビットコインの価格とリンクしており、2017年末から翌年1月の1BTC=150万円を超えた時期をピークにそれ以降は下がる一方です。その一方で求人数(オレンジ色の線:100万件の求人のうち、仮想通貨関連の求人数)は、徐々に増加の傾向を示しています。
採用数が多い企業のランキングも併せて発表されています。
やはりというべきか、MicrosoftやIBM、Ciscoといったコンピューター関連の企業がランクインしています。注目すべきは10社中6社がコンサルティングファームであること、そしてその6社にBIG4と呼ばれるうちの3つの事務所が含まれていることです。銀行も仮想通貨やブロックチェーンを導入した場合のメリットを認識し、多額の投資を行ってはいるものの、ランキングしたのは7位のJPモルガン・チェース銀行の1社だけでした。
銀行の動きが鈍いという見方も出来ますが、全業種を対象にしたランキングということと10位がブロックチェーンに特化したコンサルティングファームであることを考えると、やはりコンサルティング業界がより多くの額を人材の確保に割いていると見ることが自然かもしれません。
こうした仮想通貨関連の求人というと、多くの人が開発のためのプログラミング言語に精通したプログラマーの募集を想像しますが、実際は幅広い職種が募集されています。
業界動向の分析を行っているJanco Associates社の調査によれば、確かにプログラマーなどの求人は仮想通貨関連の求人全体の6割を占めるものの、2割はコールセンターなどの顧客対応、残りの2割をアナリストとその他サービスが分けあっています。
サンノゼやサンフランシスコといったシリコンバレーの求人が多いことは想像に難くなく、こういった場所は「技術の集積エリア」として見られています。逆にニューヨークは、上位2つと同様に求人数は多くあるものの、コンサルティングファームなどのプログラマー以外の求人が多くあるため、そういった見方はされません。
「技術の集積エリア」は表には載っていないもののボルティモアなどが当たります。
逆にシカゴやデンバーといったエリアは、エンジニアではない仕事が多くを占めています。
いずれにせよビットコインの価格が上がるにつれて、検索数の上昇が起こることは想像に難くありません。もし、仮想通貨業界への転職を考えているのなら、売り手市場である今がベストなのかもしれません。
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