イーサリアムクラシックの誕生秘話
イーサリアムクラシックは、その名の通り本家イーサリアムの性質を受け継いで発行された仮想通貨です。
誕生のきっかけとなったのは、2016年のイーサリアムネットワーク上に作られた「The DAO」というサービスで起こったハッキング事件です。
このハッキングによる被害額は約360万ETH(当時のレートで65億円相当)にも上り、これは同サービスがICOで調達した資金の3分の1以上にあたるとあって、大きく取り上げられました。
この被害を解決する案として採用されたのが、「ハードフォーク案」でした。
イーサリアムのデータをハッキング前の状態に戻すことでハッキング自体をなかったことにするという仕様変更による対応です。
しかし、この案は思わぬ波紋を呼びました。
それは、「仮想通貨は非中央集権的である」という理念によるものでした。
非中央集権的であるはずにも関わらず、個人の資産を預かる立場であるイーサリアムの開発チームが取引履歴に介入したことが、一部のコミュニティから反発を受けてしまったのです。
この結果、イーサリアムのコミュニティは分岐することとなり、ハードフォーク案を進めるイーサリアムとは別の、非中央集権性に重きを置いたイーサリアムクラシックが誕生することになりました。
イーサリアムクラシックは、IoTに力を入れることで本家イーサリアムとの差別化を測っています。
また、発行枚数にも違いがあり、イーサリアムクラシックは当初は発行上限が設定されていなかったものの、2017年に約2億1,000ETC〜2億3,000万ETCを発行上限として設定されました。
イーサリアムクラシックのメジャーアップデート
そして今回、イーサリアムクラシックのバージョンアップとして「Atlantis」(アトランティス)ハードフォークが決定したことが明らかになりました。ハードフォークを採用する目標のブロック数は8,772,000であり、これはおよそ2019年9月17日に完了すると予想されています。
イーサリアムは今年1月に51%攻撃を受けたこともあり、このメジャーアップデートによってイーサリアムクラシックの機能性と安全性の向上を図るとしています。
また、イーサリアムブロックチェーンとの互換運用性も向上します。
アトランティスのハードフォークはすでにテスト段階に入っているとされており、ハードフォークにより発生するトラブルに対応することも踏まえ、9月17日に実施されるとみられています。