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各国の中央銀行の仮想通貨の発行に対する動き

各国の中央銀行の仮想通貨の発行に対する動き
2019年7月5日

先月末に、国際通貨基金(International Monetary Fund、以下IMF)がレポートを発表しました。

このレポートは世界銀行とIMFが、経済成長を促進し金融包摂を拡大する機会を提供するフィンテックに関する各国の取組に関するもので、189ヶ国の中央銀行や財務省、及びその他の関連機関に質問を行い、96の回答を得ました。

 

調査結果から大別して以下の5つの内容で構成されており、

  1. 各国のサイバーセキュリティに関する認識と取り組みについて
  2. アジアはフィンテックの分野で他のエリアに先んじていること
  3. サブサハラ(エジプトやモロッコなどの地中海に面している国を除いたアフリカ)では、銀行口座を持たない人口が多いこともありモバイルマネーの利用者の伸びが顕著であること
  4. ヨーロッパはEUの行った政策により、データ保護の観点で見れば他のエリアより進んでいるものの、金融の分野に関しては各国の足並みにばらつきがあること
  5. 回答のあった96カ国のうち、20もの国が仮想通貨の発行を模索しており、既にいくつかの国がテスト段階にさしかかっていること

といった内容でした。

今年1月に発表された、世界決済銀行(Bank for International Settlements:以下BIS)が発展途上国を中心とした63ヶ国の中央銀行を対象に行った調査でも、半数以上が仮想通貨の研究をしているもののむこう10年での発行を想定している国がIMFの調査結果とほぼ同じ割合だったことを考えると、「中央銀行が発行する仮想通貨の検討」は全世界的なものだと言えます。

 

しかしながら「中央銀行が発行する仮想通貨(Central Bank Digital Currency、以下CBDC)の検討」といっても、そこに至った理由は国によって様々です。

中国は、民間で発行された仮想通貨を、ボラティリティや信頼度などを理由に「基本的に欠陥がある」としていますが、国内での大量の取引を円滑に進めるために、CBDCの導入を進めており、間も無くテスト段階に入ります。

BISの調査で、スウェーデンとともに先進的と取り上げられたウルグアイでは、2017年に試験的な導入を行い、翌年4月に実験を成功と発表し、顕在化した問題の是正に取り組んでいます。ウルグアイがCBDCの発行を推し進める背景には、紙幣の維持コスト(紙幣を国内の銀行に配送の際の警備などを含む)の高さがあります。

報告書で、「ヨーロッパの他の国に先んじている」と評されたイギリスでは、CBDCの導入にこそ慎重なものの、今年2月に、リップルのパートナーであるFairFXとの連携を発表しており、決済システムとしての導入には前向きな動きを見せています。

 

その一方、中国と同様に国内に大規模な市場を持つインドでは、モバイル決済などの分野に限ればフィンテック技術の導入は進んでいるものの、当初はCBDCの発行にも乗り気だった政府が、その方針を変更したことにより2018年末に計画の一時中断が発表されています。

インドでは、既に金融サービス業を行っている機関に対して仮想通貨関連企業との取引を禁止する通達が出ているだけでなく、民間人の仮想通貨のトレードを禁止し、違反者には最長10年の懲役を課すような法案が提出されるなど、厳しい規制が行われていることもあって、先月末に、インド最大の仮想通貨取引所が事業の継続の困難を理由にサービスの停止が発表されるなど、仮想通貨に対する逆風の強い状況が続いています。

 

また、報告書では、CBDCはあくまで現行の中央集権型の法定通貨と変わらないため、ビットコインなどをはじめとした非中央集権型の仮想通貨の需要は、たとえ各国がCBDCを発行したとしても変わらず発生していくという見解を示しています。

 

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