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国内3例目となった取引所ハッキング事件から見る、流出した仮想通貨の追跡事例

国内3例目となった取引所ハッキング事件から見る、流出した仮想通貨の追跡事例
2019年7月24日

今月の12日に仮想通貨取引所のビットポイントで、国内で3例目となるハッキングによる仮想通貨の流出事件が起こりました。

流出の金額は35億円相当と報じられており、2018年に起きたCoincheckの580億円、Zaifの70億円に比べればその額は少ないものの、業界に与えた影響は2018年に起きた2件よりも大きいものです。

 

2018年に起きた2件に関しては、国内の仮想通貨に関する取り扱いがはっきりしていないという状況でした。1月にCoincheckの流出事件が起こってからは、金融庁は仮想通貨を取り扱うことの出来る業者の審査基準を厳しくし、各取引所に要求するセキュリティのレベルを引き上げました。また、審査を通った後も経営管理体制の監視を行なっていました。

今回のハッキングによる流出は「2018年6月に業務改善命令を受けたビットポイントが1年間かけて改善を行い、それに一定の効果があったと金融庁が認定し、業務改善命令を解除した」の直後に起こったということもあり、流出したビットポイントは元より、そのセキュリティにお墨付きを与えた金融庁にとっても手痛いものとなりました。

 

こうした流出した仮想通貨の追跡を行うサービスやツールの開発、プロジェクトはこれまでにもいくつもありました。

前述のCoincheckの事件では、1月27日にハッキングによる流出が報じられてから数時間後に、NEMの発行を行なっているNEM財団が自動追跡プログラムの開発を発表し、1~2日後を目処に稼働するとしていました。

追跡プログラムは流出したNEMに特定のマークをつけることで、どこの取引所にあるかまでは捕捉できましたが、そこから先は取引所が口座を凍結するなどの措置をとるしか方法はありません。

ハッキングから2ヶ月後の3月末に、NEM財団は「ハッカーが盗んだNEMを換金することを防ぐことができ、法の執行機関に十分な情報を提供することが出来た」という成果とともに、追跡の打ち切りを発表しました。

NEM財団の発表では「換金を防げた」とされていましたが、その一方で、盗まれたNEMの大部分は、匿名性の高いDASHなどを経由して資金洗浄されてしまい、「今も特定のマークをつけたままダークウェブで販売されている」という報道も出ています。

 

NEM財団の追跡による成果は疑問符が付くものでしたが、こうした追跡業務で成果を挙げ、企業評価額を急激に伸ばしている企業もあります。

Chainalysis社は、仮想通貨に関するマネーロンダリングをはじめとする不正を防止するためのソフトウェアの開発を行なっているスタートアップです。

同社は2017年に、2014年にMtGOXから流出したビットコインの行方を突き止めました。NEM財団の追跡とは法の執行機関と連携している点で異なります。

ダークウェブでの追跡を行うという性質上、仮想通貨に関する違法行為以外の摘発にも協力を行なっており、ユーロポールはChainalysis社の協力の元、オンライン上の犯罪だけで既に300人以上貢献していると報じられています。

同社は事件後の追跡だけでなく、事件そのものが起こらないよう、仮想通貨業界に参入する企業にKYCツールの提供を行なっています。

 

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