7月の半ばにその価格を100万円近くまで落としていたBitcoinがここに来て再び上昇をはじめました。
とはいえ、2017年末に1BTCが200万円を超えたことを覚えている人であれば、先月中旬の130万円台はそこまでの高騰には思えないかもしれません。
しかし、取り巻く環境の変化から、Bitcoinの価値は2017年末を超えたという見方も出ています。
「2017年末の価値を超えた」という根拠は、「各仮想通貨の時価総額が全体のどれぐらいを占めるか」という観点で見た場合です。
グラフからは
- 2017年の7月頃にBitcoin(オレンジ)とEthereum(紫)の仮想通貨全体に於ける時価総額の占める割合が最接近したこと
- 2018年の初頭にBitcoinの占める割合が一番低くなったこと
- 2018年以降は多くのアルトコイン(薄い灰色)が価値を評価されるようになったこと
- 直近はBitcoinの占有率が高まっていること
などが読み取れます。
一度下がったBitcoinが再び勢いを取り戻したことにはいくつか理由があります。
まず、大前提としてBitcoinの上昇はアルトコインの価格の低下を招きます。Bitcoinはその知名度と取り扱っている取引所の多さや、数多くの仮想通貨がBitcoin建で購入するなど流通に関与しています。Bitcoinの価格が上昇し続けているのであれば、投資家は自身が保有しているBitcoinを使ってまで、ボラティリティの小さなアルトコインに投資に踏み切るという判断は下しにくいでしょう。
逆にアルトコインを売ってBitcoinでの保有へと走ることでBitcoinのさらなる高騰と、売却されたことによるアルトコインの価格のさらなる低下が引き起こります。
それでは、将来有望なアルトコインが出てくれば、Bitcoinに集まっていく流れを解消できるのでしょうか。
残念ながら、その場合であっても流れは変えにくいと言えます。実用的なプロジェクトが既に開始されていても、Bitcoinと比べれば購入・売却が出来る方法は限定されているため柔軟な取引は行えません。そのため、投資家がBitcoinからアルトコインへと保有している仮想通貨を変えるということはなかなか考えられません。
Bitcoinの強さは全世界的に通じるブランド力であるとも言えます。
著名な仮想通貨のアナリストやトレーダーからは、
「(一時的に30%台まで下がったことはあったものの)Bitcoinの占有率が高い状態が普通であると考えるべきであり、アルトコインの評価が上がる時期も来ることは間違いないが、このバランスは覆らないだろう」という分析が上がっています。
では、本当にアルトコインの時価総額の比率が上がる時期は来るのでしょうか。
Chris Burniske氏によれば、Bitcoinが60~80%を占めるという大勢は決まっているものの、残りの20~40%の中での趨勢はクジラが握っているとしています。
前述の通り、Bitcoinの占有率が高まるにつれてアルトコインの時価総額は下がるため、下がりきったところにクジラが買い占めに走ります。すると、そのアルトコインの時価総額は一気に跳ね上がり、そのアルトコインの占有率は一時的に高まります。
「一時的に」としたのは、高騰に釣られてやってきた人に自身が保有しているアルトコインを売るためです。最終的にクジラはより多くのBitcoinを保有し、アルトコインの占有率も一定のところまで下がり落ち着きます。
Bitcoinに投資をしている人はもちろんですが、アルトコインへ投資している場合であってもBitcoinの動向には目が離せません。