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米国のメガバンクが次世代仮想通貨ウォレットに乗り出す

米国のメガバンクが次世代仮想通貨ウォレットに乗り出す
2019年8月23日

今週、米国の3大メガバンクの1つ、Bank of America(以下BofA)が仮想通貨ウォレットの開発のための特許を申請したと発表しました。

今回の申請された特許は「Multi-Tiered Digital Wallet Security(多層デジタルウォレットセキュリティ)」と題されたもので、BofAは申請の中で、従来のウォレットよりも安全かつ安心に仮想通貨を管理できるものだとしています。

 

特許によれば、新しいウォレットは複数のパーテーションで分割されたマトリョーシカのような構造をしており、その1つ1つに生体認証やパスワードによるロックが掛かっています。ウォレットに保管した仮想通貨の大部分はその最奥に保管されているため、従来のウォレットよりハッキングのリスクを大幅に低減することが出来ます。

また、特定の地域以外からのアクセスを遮断することも出来るため、地球の裏側のテロリストに盗まれるといったことも回避できるといったセキュリティシステムを採用しています。

 

大手仮想通貨ウォレットプロバイダーであるDigitalBank Vault社のCEO、Tim Weiss氏は今回のBofAの取り組みを「プロセス改革型のゲームチェンジャーである」と評しており、

「ウォレットの進化という仮想通貨業界としても避けては通れない問題への寄与と、旧来の資産管理を行ってきた銀行が、仮想通貨でも、安全な管理方法を提供する準備ができたことを広く一般に知らせるという、2つの理由で素晴らしいと言える」と好意的なコメントを出しています。

好意的な見方がある一方で、冷静な見方も出ています。上海で金融学の教鞭をとり、自身も仮想通貨の投資家でもあるNicholas Krapels氏は、

「BofAの今回の特許は素晴らしいもので、同様に仮想通貨に関する特許を数多く保有していることは間違いないが、実現することなく失効しているものも出てきている。今回具体的な開発まで踏み込めなかったことを考えると、BofAは具体的なブロックチェーンの戦略を持っておらず、投資家に対してアピールしたにすぎない」と語っています。

BofAの動きに対し、仮想通貨生体認証サービスを提供しているHOYOS Integrity社のCEO兼CTOは、

「銀行が仮想通貨領域に参入してくるには、決済システムをどうするかという壁がある。信用という面で考えれば銀行が預かるということにも一定の価値を見いだせるが、預けるだけで決済が出来なければ仮想通貨の利便性を失うことになり、既存の決済代行業者で十分であるため、銀行が仮想通貨を扱う必要性は低いと言える。そういった問題を取り除くためにも、銀行はスタンスを明確にすべきだ」と銀行のそもそもの仮想通貨に対する接し方について言及しています。

 

BofAは前述の通りブロックチェーンに関する特許を数多く保有しており、その数は大手ITベンダーであるMicrosoftを凌ぎます。その一方で、今年2月に「混乱の元」として仮想通貨取引でのクレジットカード利用の全面禁止を発表しています。

仮想通貨やブロックチェーンといった新技術との距離感を慎重に見極めているBofAの次の動きが注目されます。

 

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