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20億ドル相当の相続税のためにビットコインの価格が下落?

20億ドル相当の相続税のためにビットコインの価格が下落?
2019年8月28日

今週月曜日、長く争われていた仮想通貨の裁判に、判決が下されました。今回の判決は当事者間だけでなく、仮想通貨の市場にも大きな意味合いを持っています。

 

今回の訴訟は自らをサトシ・ナカモトとするCraig Wright氏と、そのパートナーとして長年事業を共にしてきたDave Kleiman氏の資産管理人との間で争われていました。

争点は、二人がビットコインの事業を行なっていた時期にマイニングで得たBitcoinの所有権についてです。Kleiman氏の資産管理人は、同氏が2013年4月に亡くなった際にWright氏が譲渡契約書を偽造し、事業と会社がマイニングしてきた110万BTC(1.17兆円)という巨額の資産を着服したとし、所有権を主張していました。

判決はKleiman氏の資産管理人の主張を認めるもので、Wright氏に50万BTCの支払いを命じました。

 

ここまでであればBitcoinの事業者間で起きたお金の問題であり、当事者間の話ですが、ここからが問題になります。

Kleiman氏は2013年に亡くなっています。当時のBitcoinの価格は1BTC=13,800円と低かったため、事件当時の相続であれば米国の相続税に相当する米国遺産税の基礎控除である1,140万ドル(約12億円)の枠内に収まっており、税金は発生しませんでした。

しかし今回受け取る50万BTCは日本円で約5,300億円と、基礎控除額を大幅に超えているため納税の必要があります。フロリダ州の相続税の税率は40%に設定されていることから、Wright氏から得た50万BTCのうち20万BTC相当額の納付が求められます。

もちろん仮想通貨による納付は認められていないため、Kleiman氏の資産管理人は20万BTC相当額の米ドルを、ビットコインを売却することで作らなければなりません。市場に20万BTCもの大量のビットコインの売りが入った場合、それは強烈な売り圧力となり、Bitcoinの価格の下落を、ひいては仮想通貨全般の価格の低下を引き起こすことが予想されます。

 

裁判後、メディアのインタビューを受けたWright氏は、

「友人のDaveを失ったことに比べれば、支払い命令は大した問題ではありません。」

と語っています。

 

今回の判決は長年正体不明とされていた「サトシ・ナカモト」をKleiman氏とWright氏がビジネスを行う上での屋号と判断し、両者に半分ずつ権利があるという判断が下されましたが、そのことに関して議論が巻き起こっています。

一部は裁判所の判断を受け入れ、Wright氏が常々主張していた「自分がサトシ・ナカモトである」という主張が裏付けられたとし、また一部ではあくまで事業のパートナー間で起きた金銭の問題であり、サトシ・ナカモト=Wright氏という判断は誤ったものだとしています。

 

所有権の問題こそ解決しましたが、納税のために大量のBitcoinが市場に投入されるのか、サトシ・ナカモトが誰なのかといった問題は今後も尾を引きそうです。

 

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