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仮想通貨事業者を困惑させるSECの気まぐれで恣意的な振る舞い

仮想通貨事業者を困惑させるSECの気まぐれで恣意的な振る舞い
2019年10月4日

今週、ある企業によるSEC(米国証券取引委員会、U.S. Securities and Exchange Commissionの略)への罰金の支払いがありました。金額だけで見ると2,400万ドル(約25.6億円)という途方も無い金額ですが、判決までの経緯とその基準の曖昧さから「安すぎるのではないか?」という声が各所で挙がっています。

 

罰金の支払いを命じられたのは、仮想通貨の時価総額ランキング7位(10月4日現在)のEOSを開発を行なったBlock.oneという会社で、2つの理由が原因として挙げられています。

1つは無認可のICOを行なったことに対するものです。

米国連邦証券法に基づく仮想通貨の評価分類では、EOSはAugurなどと並んで有価証券寄りの仮想通貨と評価されており、これ以上に有価証券に近いとされる仮想通貨はXRPしかありません。

EOSのICOは2017年6月にスタートし、SECが「ICOで発行されたトークンは有価証券として扱われる」という見解を発表したのがその翌月の2017年7月であったため、発表までに終了していれば問題はありませんでした。しかしながら、SECの見解が発表された後も11ヶ月に渡ってICOは続き、2018年6月に終了しました。

米国の証券法では「事業内容や投資商品の内容に限らず、米国の投資家に販売する場合は証券法を遵守する必要がある」と定められているため、ICOのスタート自体は規制が発表される前であったとしても、規制発表後もblock.one側が証券法を遵守するための措置を取らなかったことが問題視されました。

もう1つとして、投資家に対して十分な情報を提供しなかったことも指摘されていますが、判決の内容としては1つ目の理由によるものが大きいという見方が大勢を占めています。

 

2,400万ドル(約25.6億円)という罰金は巨額ですが、ICOの調達額が41億ドル(約4,400億円)というだったことを加味すると、わずか0.6%程度の罰金を払うことで、残り全額を自由にできるお墨付きをSECが与えてしまったことになります。

ブロックチェーンベンチャーキャピタルのCastle Island Ventures社のパートナーであるNic Carter氏は、「多くの仮想通貨事業者は、明確なルールを示すことなく下された今回のSECの判断を、ICOはSECにCarte Blanche(白紙委任状)を与える様なものだ。暗号通貨業界は、SECに明確なルールとそのためのガイダンスの策定を望んでいますが、SECの今回の決定が『移り気で恣意的』なもので失望しています。」

と述べており、ルールがはっきりしないことへの懸念を示しています。

ICOは、そもそも画期的な資金調達方法であったこと、明確な規制がなかったこと、一攫千金を狙った投資家が多く流入したことなどが絡み合って、実現性の低い案件であってもとりあえずICOを行う、初めから詐欺目的でICOを行うという事案が大量に発生しました。実際、統計ではICOした仮想通貨の70%が売出し価格を割り込んでいるという結果が出ています。

SECの決定は、そういったICOのネガティブなイメージを払拭するためのチャンスでしたが、このような結果になってしまいました。

 

そして、前述のCarter氏が懸念していた「移り気で恣意的」なことが早くも現実のものとなっています。

今週、分散型データストレージの開発を行なっているNebulous社は、過去に行なったトークンセールが、EOS同様に未登録の販売行為に当たるとされ、SECに罰金を課されました。

その額は22万5,000ドル(約2,400万円)で、内訳は違法なトークンセールで集めた金額12万ドルとそれに対する利息、そして罰則が8万ドルとなっています。

金額の多寡で言えばEOSよりも遥かに少額ですが、EOSが集まった金額の0.6%の支払いで済んだのに対し、こちらは集まった金額の2倍に近い支払いを課されるという重いものです。

 

こうした事態を是正するためにも、SECには一刻も早い明確な線引きが求められます。

 

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