先週末、9月末から1ヶ月に渡って1BTC=80~90万円の価格を推移していたビットコインが100万円前後まで回復しました。
ビットコインや金融商品に限った話ではありませんが、「この先、どういった変化が起こるか分かっていれば…」と考えてしまうことは誰しもがあります。
そういった需要に対して、金融の専門家の分析の様なものから、アボカドの値段と相関関係があるといったにわかには信じがたいオカルトじみたものまで、多くの情報が提供されています。
そんな中、オカルト予測の極致と言えるものが「未来人」です。
仮想通貨関連の情報に長く触れている人であれば、「2013年に現れた2025年から来た未来人の予言」は1度は耳にしたことがあるかもしれません。
この未来人は、2013年にアメリカの巨大ソーシャルニュースサイト/掲示板であるRedditに現れました。同サイトはメディアによっては「米国版2ちゃんねる(5ちゃんねる)」と紹介されることもありますが、一般に広く利用されているサイトで著名人からも高い認知を受けています。
予言の内容は大別すると
- 今後(投稿された2013年以降)のビットコインの値段がどの様に変化していくかという評価に関するもの
- 2025年にはほとんどの政府は既に存在せず、「億り人」だけが居住出来る都市が存在するという社会情勢
- 経済成長は下がり、中世ヨーロッパの0.035%より低い-2%まで落ち込むという経済に関するもの
- 2013年時点で有名なビットコインの億り人の2025年時点での状況
- 非中央集権に舵を切った結果、破滅的な未来が待っていたこと
の5つの内容です。
近未来のディストピアという、いかにもな設定ということもあり、書き込まれた2013年から数年の間は取り沙汰されることはありませんでした。
しかし、ビットコインの価格が予言の通りに上昇していった2016年頃から段々と注目される様になり、「2017年に1BTCが10,000ドルになる」とした予言の通り、1BTCが100万円を超えた2017年以降は様々なメディアで扱われる様になりました。
「予言」によれば、2019年には1BTCが100,000ドル(約1,090万円)、2021年には1,000,000ドル(約1.1億円)になるとされています。
10月31日時点でビットコインの価格は約9,000ドル(約100万円)で、予言の10分の1の価格です。まだ2ヶ月あるためどうなるかはわかりませんが、2017年末の高騰でも1ヶ月で2倍にしかならなかったことを考えると実現は難しいかもしれません。逆に言えば、本当に1,000万円まで価格が上がれば、予言の信憑性が高まるとも言えます。
なお、未来人はアメリカだけでなく日本の掲示板にも訪れている様です。2010年には2062年から来たという未来人が掲示板の2ちゃんねる(当時)に現れ、当時残した文字列と日付を好意的に解釈すれば、2011年の東日本大震災と2016年の熊本地震を言い当てたとされています。
その未来人によれば、2062年時点では日本円や米ドルといった法定通貨は引き続き使われている一方で、現在ある全ての仮想通貨は消滅しているそうです。
これらの未来人はいずれも匿名ですが、中には実名でビットコインの将来を予測し的中させている著名人もいます。
セキュリティーソフトのMcAfeeの開発者であり、創業者でもあるJohn McAfee氏も以前からTwitter上で「予言」を行なっており、的中させています。ちなみに同氏の予想も2020年の12月31日に1BTC=1,000,000ドルになると、2025年からやった来て未来人と同じ時期に同じ額に達するとしています。
少額ではない金額をビットコインに投資している人からすれば、こうした「2021年には1BTC=1億円になる」といった様なポジティブな情報はとても好ましく、簡単に信じてしまうのが人間の性です。
しかし、こういった「予言」は国内・海外問わず無数に存在し、そうした予言の中から当たったものだけを取り上げられているということを考えれば、話のタネぐらいに留めて過剰に期待しない方が良いのかもしれません。